島根県の東となりの鳥取県は2年前から歯科技工専門学校の新規入学者の募集を停止しています。

来年からは西となりの山口県の歯科技工士専門学校が新規入学者の募集を停止しました。

つまり島根の両隣の県の歯科技工士さんの成り手が今後ゼロになり、技工士不足に拍車がかかることになります。

技工士は技工士国家試験に合格した有資格者のみの限られた仕事です。

しかも、職人として一人前になるのに数年かかる特殊な仕事で経験と知識の技術が必要です。

皆さんのお口の中の入れ歯やかぶせ物はほぼ全て技工士さんが作った物であり、技工士さん以外が作ることはほぼありません。（一部技工作業が好きな歯科医師は自分で銀歯や入れ歯を作ることもありますが稀です）

技工士の長時間労働やそれに見合う報酬がないのは以前から問題視されており、技工士になりたいという若手が年々減っていっていると言われています。

とても魅力的な仕事ではあるが、もともとワークライフバランスを重要視する若者世代にはこの厳しい世界に飛び込みたいという考えが受け入れられないのは必然かもしれません。

現段階では歯科衛生士不足も問題ですが、技工士不足もかなりの問題になります。

今後数年で訪れる状況を予想すると…

まず、納期がかなり延びかぶせを１本作るのに型を取ってから「かぶせが入るまでに２〜３ヶ月かかります。」とか、納期未定なんてこともありうるでしょう。

作ってくれるならまだマシで、「かぶせは作れませんので他の歯科医院で作ってください。」なんて言われこともありえます。

もしくは「かぶせは保険内の物は作っていません。費用がかかりますが、保険外の物なら作れます。」なんて限定されることも予想されます。

このような波はおそらく徐々に来るというより一気にきて大騒ぎすることになるでしょう。

あまり想像はしたくないですが、このまま状況が好転しなければ大いにありえます。

何も考えないと茹でガエルになってしまう世の中です。

島根県にある唯一の技工士の専門学校も死守しなければなりません。

この写真はポケモンの幻のプレミアムカード「リザードン」です。（１枚で数千万円という価値があるそうです）

今年も技工士科の学生に授業をしてきました。

これを毎年授業の最初のスライドに入れて技工士科の生徒に見せ、「君たちはこのカードのように希少性が高くとても価値が高い存在だ！」ということを語りながら授業を始めます。

男子生徒は理解してくれるようですが、女子生徒の反応はイマイチ…笑

けど、自分らの存在意義はとても高い価値があるということは伝わってくれているはずです。

そして島根県歯科技術専門学校では技工士、歯科衛生士になりたいあなたを待っています。https://www.shikasen.jp/admission